ベルリン事情

ドイツ流の価値観と文化に学ぶ、ビジネスの生産性と創造性の高め方

ドイツといえば、モノづくり産業が盛んで、勤勉な印象が「日本と似ている」というイメージがありますよね。

ところが、ドイツは日本より、生産性が高いのに、労働に費やす時間が短く、日本人が「働き方改革」という言葉を使う以前から、働き方改革を実践してきた国でもあるのです。

さらに、ドイツ人はその創造性の高さでも有名です。ドイツの首都「ベルリン」は、世界最高峰のクリエイティブ発信地と呼ばれ、様々な音楽や美術を生み出してきました。

また、昨今では「ベルリン」はスタートアップと呼ばれる新進気鋭のベンチャー企業が各国から集結し、EU最大級のスタートアップ都市に成長しています。

なぜ、ドイツは、このように高い生産性と創造性を兼ね備えているのでしょうか。
ドイツのビジネスにおける類似点と相違点を知ることで、これからの日本企業に必要な価値観を考えてみましょう。

日本とドイツの3つの類似点

まずは、日本とドイツの類似点を3点ほど見てみましょう。

①:日本人もドイツ人も「時間厳守」

ドイツには「Puenktlichkeit ist alles.(時間厳守がすべてである)」という慣用句があります。それほど納期、会議の開始時間、退社時間など定められたルールに対して非常に厳格です。

時間にルーズな国が多い欧州において、時間厳守である点において日本と同様の価値観といえるでしょう。ただし、ドイツの場合は、退社時間に対してもきっちりしており、定刻になると残業はせずに帰宅するのがドイツ流です。

②:日本人もドイツ人も「TPOとマナーを重んじる」

ドイツのビジネスマンは、マナーを重んじます。

TPOで言えば、例えば大企業においては、日本と同様に、対法人でのビジネスシーンにおいてフォーマルな服装が好まれます。一方、スタートアップなどでは、カジュアルな私服が一般的です。

また、ドイツの大企業では席次も重視されていますが、国際的なベルリンのスタートアップなどでは、それらを全く知らないチームメンバーのバックグランドを考え、階層などを押し付けないのがマナーです。

③:日本人もドイツ人も「几帳面できれい好き」

ドイツ人は几帳面な人が多いことで有名です。もともと秩序やルールを非常に重んじる傾向が強くあるため当然かも知れません。

ドイツのビジネスマンは、スーツにシワがつかないようにアイロンがけを徹底しています。
また家庭でも水回りや自家用車などピカピカに磨く家庭が多いのが特徴的です。

几帳面で清潔感を重視する点も日本人と似ているでしょう。

日本とドイツの3つの相違点

さて、ここまでのところ、日本人とドイツ人の価値観はほとんど同じなのではないか?と思えるほどです。

ところが、当然ですが全く異なる価値感が存在し、その違いこそが日本のビジネスマンが学ぶべき点かもしれません。

以下では、日本人とドイツ人の違いを解説していきましょう。

①:日本人は「場の空気を重視」、ドイツ人は「ルールを重視」

日本人は「空気を読む」「忖度する」などという言葉が流行るほど場の空気を読むことに長けています。

確かに会話において、表情や声色から相手の気持ちを汲み取って、心地良い空気を作り出していくという点においては重要なスキルでしょう。

しかし、近年の起業家の中には、空気を読むことに否定派の人物も少なくありません。
C CHANNEL株式会社代表の森川氏も「空気を読むということは、目の前のことに気を遣って本質が見えなくなること」と表現しています。

ドイツ人は個人主義だといわれており、集団の和よりも個人の意見が重視されるため「空気を読む」という文化はありません。

確かに、感情論に流されて本質を見失ったり、曖昧な表現で誤解を生んだりすることなく、
ストレートに発言出来る組織のほうが合理的でしょう。

素早い成長が求められる組織においては日本企業でも取り入れたい価値観といえるでしょう。

②:日本人は「頑張ったことを重視」、ドイツ人は「結果を重視」

日本では、下積みや苦労など、結果に至るまでの努力を重視する傾向があります。
それが成果につながっていなくても美談として語られるシーンすらあります。

ところがドイツ人は、そういったプロセスを重視せず、結果を重視する傾向があります。
例えば「残業」について、日本では努力の証拠として捉えられますが、ドイツでは逆に「無能な社員」の評価に繋がります。

日本で重視される「報告・連絡・相談」といったことも、ドイツではそれをすることで出せる結果が重視されます。

「態度」「頑張り」「やる気」といった部分がどれほど成果につながっているのかというところは考え直す必要があるでしょう。

③:日本人は「議論を嫌う」、ドイツ人は「批判精神を持つ」

ドイツは、他の欧州の国から見ても、ストレートで批判的な言動をすると認識されているようです。他の欧州国では「検討させてください」などという日本人同様の曖昧な表現が使われることも少なくありませんが、ドイツでは「clarity is more important than feelings/face」(面目を保つより明瞭さが大事)という文化があります。

ドイツでは子供の頃から、相手と違う意見をもったときは、それを論理的に主張することを徹底的に教わります。また批判することにも、されることにもなれており、議論することは当たり前だと捉えています。

日本人であれば、場の雰囲気に流されてしまったり、議論することを避けるあまり、不本意な同意をしてしまうことも少なくはないでしょう。ただし、本当に組織のためや結果を考えた時に、同調することが正義とは限らない場面もあります。

同調ばかりが蔓延するカルチャーではクリエイティビティは生まれません。
「本当にそれが正しのか?」「他に方法はないのか?」といった批判的思考(クリティカルシンキング)をもち、違うと思うことを率直に意見することが許されるカルチャーは、イノベーションを起こすためには重要でしょう。

ドイツ人に学ぶ、生産性と創造性の上げ方。

いかがでしたか、ドイツ人は堅実で真面目である一方で、感情論や場の空気に流されることなく、ルールや正しいと思うことに対して誠実であるといえるでしょう。

そうした姿勢が、生産性の高さに繋がっているのです。また周囲に同調することなく、相手の意見を批判的に捉え、個人の意見を大切にするクリティカルシンキングは創造性にも繋がるのではないかと思います。

社内の生産性や創造性の向上に関心がある日本企業はドイツ流の文化や価値観に学び、建設的なクリティシズムという文化に焦点を当ててみてはいかがでしょうか。

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