ベルリン事情

【日本の約1.5倍の生産性】ドイツ企業に学ぶ働き方改革とは

日本企業で導入が進む“働き方改革”。ところが「働き方改革疲れ」という言葉が生まれるほど、その導入や実際の運用にお困りの企業は多いでしょう。

そんな働き方改革でお悩みの企業担当者様は「ドイツ流のマネジメント」に学ぶものがあるはずです。

というのも、ドイツは先進国の中でも労働時間が少なく、残業時間や休日出勤もほとんどありません。ところが一人あたりの生産性は日本の1.5倍にもなるのです。

そこで本記事では、日本企業のマネジメント層や、働き方改革を進める人事・総務担当が学ぶべき、ドイツ企業の生産性向上の秘訣について解説します。

ドイツと日本の生産性の概要比較

ドイツと日本の面積はほぼ同じであり、伝統的な職人によるモノづくりが定着しているのも、ドイツと日本が似ている点です。

またドイツは日本よりも人口が少ない国ですが、労働生産性は、ドイツ人は日本人よりも、なんと約1.5倍も高いのです。

ドイツが時間あたり69.8ドルなのに対して、日本は47.5ドルと、日本円にして1時間2,000円以上も生産性が高くなっています

参考

労働生産性(労働1時間あたりのGDP):「労働生産性の国際比較 2018」公益財団法人 日本生産性本部

それほどまでに、生産性に差があるとは驚きです。その差は、果たしてどこから来ているのか、ドイツ人の仕事に対する価値観や働き方に注目してみましょう。

ドイツ人の働き方に対する6つの価値観

ここでは、ドイツ人の仕事に対する価値観や働き方の特徴について6つご紹介します。

要約

①:1日10時間以上の労働を禁止
②:最低24日間の有給休暇の取得を徹底
③:残業時間を貯蓄する「労働時間貯蓄精度」
④:「役職」ではなく「役割」を重視
⑤:業務の進め方は徹底した「チーム制」
⑥:ドイツでは作業の「効率」を重視

①:1日10時間以上の労働を禁止

ドイツでの法律規制により、企業は管理職ではない社員を1日10時間以上働かせることが禁止されています。また、6ヶ月間の平均労働時間が、1日8時間を超えることも禁止されています。

繁忙期などの理由で制限を超える労働時間も認められていないため、業務が増えそうな場合は、労働者の数を増やして対応することが求められています。

さらに、1日10時間を超える労働を行わせていた企業は罰金を科されたり、社員のPCに10時間を超えている旨の警告が出るようにしている会社もあります。

②:最低24日間の有給休暇の取得を徹底

毎年最低24日間の有給休暇を取得することを、ドイツでは労働者に徹底しています。また、大半の企業では毎年30日間の有給休暇を与えています。

有給休暇の取得は、取らなければいけないものとして労働者の当然の義務と位置づけている企業も少なくありません。

さらに、病欠日数は有給休暇日数より差し引かれることはなく、最長6週間まで病欠が別に与えられます。つまり、有給休暇はドイツの人にとっては全部を消化するのが当たり前となっているのです。

③:残業時間を貯蓄する「労働時間貯蓄制度」

ドイツには残業した分の時間を貯蓄しておき、別の日に充てたり、有給休暇として取得できる「労働時間貯蓄制度」があります。

例えば、2時間残業した場合、別の日に2時間早く退社することも可能です。

この制度は、残業したら割増しで賃金が増えるのではなく休みになりますので、残業代を稼ぐような労働者を減らし、残業代を払いたくないという企業の要望にも合います。

柔軟な働き方に合わせた、自由度の高い時間管理によって働き方改革にもなりそうな制度です。

④:「役職」ではなく「役割」を重視

上司と部下という上下の地位がそのまま「役職」と結びつくことが多い日本の会社組織に対して、ドイツでは役職は「役割」という意識が強くフラットな組織となっています。

そのため、上司の顔色を伺うような忖度も必要なく、対等に物事を主張することができます。

これは、個人主義が徹底しているドイツ人の気質とも関係があり、長期休暇を取る同僚にはゆっくり休んできてと言う場面が一般的です。

自らの「役割」を果たしてさえいれば、罪悪感を感じることなく有給休暇などを取りやすい社内組織体制となっています。

※例えば「One man/woman, one engine」というモットーで知られる、メルセデス・ベンツのラグジュアリーブランドであるAMGは、エンジニア一人がエンジン組み立ての全行程を一人で行い、当該エンジニアのサイン入りのプレートがエンジンカバーに取り付けられることで有名です。

もしエンジンの組み立て作業中にシフトが終わり、かつ翌日から休暇に入るという場合でも、残業をしてでも組み立てを終えるということはありません。あくまで品質にこだわるためです。

また、別のエンジニアが組み立てを継続して終了させるということもありません。それでは「One man/woman, one engine」のモットーを裏切ることになるからです。

一人一人が、自分の「役割」を大切にし、プライドと責任を持つ、という最もわかりやすい例です。

⑤:業務の進め方は徹底した「チーム制」

業務の内容を社内メンバーで確認できるように共有しておき、急なもの以外は、たとえ業務が終わっていなくても休暇を取れる体制を整えている企業がドイツには多くあります。

また、個人で担当するのではなく、業務をできるだけチームで担当することを心がけているため、担当者が休暇中で不在だとしても、別のメンバーが対応することに対して取引先が怒るようなこともなく、休暇だから当然の権利として捉えられます。

⑥:ドイツでは作業の「効率」を重視

ドイツでは定時で仕事を終らせることは、効率の良い働き方として評価につながります。つまり、仕事にかける無駄を最小限にして、効果は最大限にする「効率化」が重視されているということです。

費用対効果や時間マネジメントについて、常にバランスを考えて仕事をしていくことが求められています。

何をやるべきで何をやらないのかという職務内容が細かく定義されている企業や、管理者だけでなくさらにその上の役職からの承認を取るといった手間を省き、自らの裁量で意思決定ができるように配慮している会社も少なくありません。

ドイツ企業(ベルリン)での働き方を体験する方法とは?

ドイツ企業には、従業員の仕事の生産性を上げ、規定通りに休ませても組織として回転する仕組みが整っています。

日本が昨今推進する”働き方改革”。それをすでに実践しているドイツ流のマネジメントから日本人のマネージャー層が学べるものは多いはずです。

実際にドイツ、特にベルリン企業のマネジメントを体験するには「bistream/バイストリーム」のドイツ研修プログラムに参加するという方法があります。

bistream/バイストリームは、経産省直轄で海外進出支援をするJETROがドイツ・ベルリンのローカルパートナーとして指定し、日本人が運営している企業です。

働き方改革の導入や実践にお困りで、ベルリン流のマネジメントについて聞いてみたいという企業担当者様はお気軽にご相談ください。

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